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オール3の偏差値

●オール3の偏差値
今回は内申点のお話をしたいと思います。
通知表で「3」がつくと、「普通」「平均」かなって感じます。
「オール3」だと、何となく沢山いそうで、普通っぽく感じます。
では高校入試で、オール3の成績のひとの高校進学はどうなっているでしょう。
最近になって、
「オール3って真ん中じゃないらしい」とか、
「平均点くらいの人は4が2つくらいあるらしい」とか、
「オール3=平均でもないらしい」ということが知られるようになってきました。
しかし、オール3で偏差値がいくつかは、よくわかりません。
そこで、都立高校入試の結果から調べてみました。
オール3は換算内申39になりますので、公開模試の業者が出しているデータをもとに、換算内申39が60%合格率の予想となる高校をピックアップしてみました。
A高校 換算内申39 偏差値47 (4学区) B高校 換算内申39 偏差値43 (5学区)
C高校 換算内申39 偏差値41 (6学区) D高校 換算内申39 偏差値44 (総合)
E高校 換算内申39 偏差値44 (産業)
このデータから、オール3は偏差値41~47ということが分かります。
オール3は「平均=偏差値50」より少し低くなり、ずいぶん幅があることに驚かされます。
ではなぜオール3は平均ではないのでしょうか?
それは、今の評価が「絶対評価」によって付けられていることと関係があるようです。
平成13年度までは、成績は「相対評価」によって付けられていました。
相対評価では、「周りと比べてできるかどうか」で評価されます。成績上位から順に割合が決まっていました。
相対評価の例この方法では、真ん中の上下19%(38%)が3になります。
だから、オール3なら偏差値50=平均だったわけです。
とても分かりやすい反面、この方法には少し問題がありました。
例えば、相対評価では、テストの点数が80点でも、平均点が80点を越えていれば、3や、場合によっては2になってしまいます。また、50点しかとれなくても、平均点が40点台なら4や5の可能性もあるわけです。

そこで、そもそも学習の評価は周りと比較するものではないという考えが採用されて、平成14年の成績から「絶対評価」が使われるようになりました。

絶対評価では「その人がその目標に対してどれだけ実現できたか」が基準になります。
たとえば試験の結果だけでみれば、以下のような感じです。
絶対評価の例これだけでは、絶対評価と言うには一面でしか評価していないことになり、やはり、授業態度や提出物も評価要素となります。

そこで、観点別評価という三つの観点をそれぞれ3段階で評価するというものがあります。
詳しくは後にふれますが、テストで85点でも提出物を提出していなかったり、意欲がみえないと評価が3になったり、逆にテストが75点でも提出物や意欲や態度が良いと、4の評価をもらえる可能性があります。

それでは、絶対評価に変わった結果、評価の割合は相対評価の時と比べてどうなったでしょうか?

東京都が調査した結果が以下の表(数字は%)です。
東京都が調査した評定状況の調査結果
参考)都内公立中学校第3 学年及び義務教育学校第9 学年(令和5年12月31日現在)の評定状況の調査結果について
相対評価のころに比べて、1と2が減って3と5が増えていることが分かります。その結果、3は「平均より上の人もいるが、平均以下の人が多い」評価になりました。
3の幅も広いですが、5の幅が広がっていることから、4の幅の位置が少し下がることになりますから、相対評価の頃よりは3から4に上がりやすくなっているといえます。
オール3では、平均ではないことが分かりました。平均になるには4がいくつか必要です。
それでは、4を取るためにはどうしたらよいでしょうか?
先ほど観点別評価というお話が出ました。通知表の5段階評価の右側にアルファベットのA~Cが並んでいます。「知識・技能」、「思考・判断・表現」、「主体的に学習に取り組む態度」についての評価がそれですが、学校ごとに数値やルールを決めて、これらの3つから5 段階評価を決めています。詳細なことはここでは割愛しますが、3つのうち前2つの評価に大きく関わっているのが定期テストです。
月並みな取り組みになってしまいますが、
・試験で80点以上を取る
・「振り返りシート」や「学習計画表」などの配付物はしっかり書いて提出する
・ワークなどの提出物を期限までにしっかり仕上げて提出する
・指されたときはしっかり答え、なるべく自主的に挙手する
・提出物は丁寧な文字で書く
といった姿勢を見なおせば、4は取りやすくなります。試験が70点台でも、下の4つが良ければ4になる可能性は高いです。
試験で良い点数を取るためにはもちろん、授業中にしっかり答えるためにも復習が大切です。
また、学校のワークをためたりせず毎日しっかり復習に使うと、試験直前の勉強も良い方向に変わっていきます。
よい成績をとることだけが勉強の目的ではありませんが、やる気のきっかけの一つはやはり成績です。
今オール3の生徒さんはまず、何か好きな科目から4を一つでも多く取れるよう、また2がある生徒さんは3を増やしていけるよう、できるところから勉強を頑張ってみませんか。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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