能見台教室

特定のお子様の話はあまりしないのですが、今回は当塾で中学受験に臨んだ方の話を少しご紹介出来ればと思っております。
ある受験生のお話です。その生徒は11月から当塾で対策を始めました。それまでは別の塾で対策をおこなっていましたが、入塾当初、合格の可能性は極めて低いと感じていました。その理由は、学習時間はとれているが目的のない行動が多いため、力になっていなと感じたからです。例えば、強制的な力を働かせることでこの事象は起こることがあります。恐怖で押さえつけてしまうと怒られないための勉強になり、目的がそれてしまって力はつきません。難しいところです。
ただそんな状態でも、その生徒に対して尊敬できるところがありました。それは、教室にきて学習することを嫌がっていないことです。むしろ、楽しんでいるかのように感じました。受験までの時間、ほぼ毎日15時くらいから20時30分まで授業をしたり、自習をしたり、先輩とお話したり、先生とお話したりしていました。普通は、嫌がって塾に来ることはしませんよね。
そこで私が学習面に対してまず心がけたことは、それぞれ起こす行動に対しての目的をなるべく理解してもらえるように努めました。目的を理解することで、主体的な行動を起こす際に方向性がずれることが少なくなります。次に、自習している際はなるべく傍で見守り細かく指示を出していました。これは、言葉では伝えられないことを、行動を見守ることで微調整していくためです。最後に、空白の解答や誤答問題に対して難しくはないということを言い続けてきました。人は難しいと感じた時点で、ほぼ解けなくなります。解く上で必要な知識があれば後は考え方次第ですぐに解けます。解けない子の多くは、知識が足りていないことが多いです。よって、知識さえ与えてしまえば解けるのです。
勝手に私が思っていることですが、合格をいただけた大きな要因の一つは、学習に対して嫌がらず、むしろ楽しんだということではないかと考えています。言葉だけではなく、行動が伴えば結果に良い影響を与えます。その典型例なのかと感じられました。

点数や成績を上げるための学習行動において、理解した後に定着を図かることが求められます。特に定着が必要な知識については、教科によって量に差があるため、量の多い教科ほど学習時期を早めるべきだと考えています。定期試験対策を始める時期として2週間前から始める方が多いのですが、この時期から行っても間に合いません。私は遅くても試験の1ヶ月前から始めるべきだと考えています。知識を覚えた状態に至るまでに、【知る】→【忘れる】→【思い出す】→【忘れる】→【思い出す】・・・といた状態を繰り返します。知った時や思い出した時の刺激の強さや知識に触れる回数で覚えるまでの過程が減っていきます。ただし、多くの知識は【忘れる】と【思い出す】を繰り返すことでしか【覚える】状態には至りません。2週間前から始めたとしても、1科目のみなら可能でしょうが主要5科目に技能4科目も加わると時間的に足りなくなるでしょう。よって、遅くても1ヶ月前から始めることを勧めているのです。ただし、日頃から【覚える】ための学習行動を起こせている場合は、その限りではありません

　次に、知識を覚えた後に必要なことが知識活用です。演習を重ねて解くスピードや正確性を高めていきます。この時にも忘れてしまっている知識が出てくるため、思い出す必要が生じます。こういった対策は試験の2週間前からは始めなければなりません。特に苦手としている問題に対しては改めて理解をしていかなくてはならないため、遅くても2週間前までには理解に及んでいない問題がどこにあるのかくらいは自身で把握していなくてはなりません。また、応用問題に対する準備も始めなければなりません。以前までは、問題のパターン毎に解法を覚えるといったことが行われていましたが、それが通じなくなる問題もここ最近目にするようになっています。
その場合、根本的な理解がしっかりと出来ているかが重要なり、それが出来ていないと解けません。
どの程度の結果を期待するのかによって、起こすべく行動は変わっていきますが、80点以上を目標とするのであれば全て行動することが必要でしょう。
　最後に、総合問題などを通して知識の定着の確認や、難しいと感じている問題に対する考え方を確認して試験に臨みましょう。